はじめに：再婚か事実婚か…どう決める？

相談者の声

B子さん（58歳）：「パートナーと幸せな関係なんですが、再婚か事実婚か迷っています。子どもたちも独立して、今は二人の老後のことを考えたいんです。でも、法律的にどう違うのかよくわからなくて…」

専門家：「B子さん、それはとても大切な悩みですね。シニア世代の再婚や事実婚では、特に相続や老後の生活設計に関わる法的な違いが重要になってきます。一つずつ確認していきましょう。」

1. 再婚と事実婚の法的立場の違い

B子さん：「友人から『事実婚だと何も権利がないのよ』と言われて不安になったんです。本当にそうなんですか？」

専門家：「法的な立場は確かに大きく違います。具体的に見ていきましょう。」

再婚の場合

✔ 法律上の夫婦として認められる
✔ 相続権・年金分割請求権などの権利がある
✔ 配偶者控除など税制上の優遇も受けられる

事実婚の場合

✔ 法律上は他人とみなされる
✔ 相続権がない（遺言などでの対策が必要）
✔ 年金分割は可能だが、審査が必要

 B子さん：「事実婚でも契約で権利を守れるんですね。でも、具体的にどんな違いが生活に影響するんですか？」

2. 実際の生活での違い

住まいについて

B子さん：「パートナーの持ち家に住むことになるんですが、将来が不安です。」

専門家：「そうですね。住まいに関しては大きな違いがあります。」

再婚の場合

✔ 配偶者居住権があり、住み続けられる
✔ 共有名義にすることも可能
✔ 相続で一定の権利が保障される

事実婚の場合

✔ 法的な居住権なし（契約が必要）
✔ 賃貸契約や使用貸借契約が必須
✔ パートナーが亡くなった後の対策が重要

B子さん：「事実婚の場合、契約をしないと本当に何も権利がないんですね。」

医療や介護の場面での違い

B子さん：「将来、お互いの介護も考えないといけませんよね。」

専門家：「はい、医療や介護の場面でも重要な違いがあります。」

再婚の場合の医療・介護

✔ 医療同意権あり（手術の同意など）
✔ 介護保険の家族枠が適用される
✔ 入院や施設入所の手続きがスムーズ

事実婚の場合の医療・介護

✔ 医療同意権なし（委任状が必要）
✔ 介護保険の家族枠は適用される
✔ 事前の契約や公正証書の準備が必須

B子さん：「医療や介護の場面でも、事前の準備が大切なんですね。」

3. 今から考えておくべき対策

B子さん：「再婚にしろ事実婚にしろ、何か準備はしておいた方がいいんでしょうか？」

専門家：「はい、特にシニア世代の場合は、以下のような準備をお勧めします。」

• 遺言書の準備
• 任意後見契約の検討
• 財産管理契約の締結
• 子どもとの関係づくり

B子さん：「よく分かりました。パートナーとよく話し合って、私たちに合った形を選びたいと思います。」

まとめ：幸せな関係のために

専門家：「再婚と事実婚、それぞれに特徴があり、どちらが良いということではありません。大切なのは、法的な違いをしっかりと理解した上で、ご自身の状況に合った選択をすることです。」

B子さん：「相談してよかったです！パートナーと話し合って決めたいと思います。」