2025.03.30
1. 遺言書が必要な理由 ~再婚・事実婚では必須~
鈴木さん(67歳・男性):「私は再婚して、前妻との間に2人の子どもがいます。現在の妻にも財産を残したいのですが、遺言が必要ですか?」
専門家:「はい、遺言書がないと、奥様が希望どおりに財産を受け取れない可能性があります。」
再婚で遺言書が必要な理由
✔ 前婚の子どもと現在の配偶者の相続割合が決まっている(配偶者1/2、子どもたち1/2)
✔ 配偶者の生活を守るために遺言で財産配分を指定できる
✔ 遺言がないと、相続人全員の合意が必要になり、トラブルの原因になる
事実婚で遺言書が必要な理由
✔ 法律上、パートナーは相続権なし
✔ 遺言がないと財産を残せず、すべて血縁者に相続される
✔ 住んでいた家を追い出されるリスクがある
鈴木さん:「遺言がないと、今の妻が不利になったり、財産をもらえなかったりするんですね。」
専門家:「はい。特に事実婚の場合、遺言なしではパートナーに一切の財産を残せません。」
2. 遺言書の種類 ~公正証書遺言 vs 自筆証書遺言~
鈴木さん:「遺言書には種類があると聞きました。どれを選べばいいですか?」
専門家:「主に2つの方式があり、それぞれメリット・デメリットがあります。」
公正証書遺言(おすすめ)
✔ 公証役場で作成し、法的に確実な遺言になる
✔ 家庭裁判所の検認が不要で、スムーズに相続手続きができる
✔ 専門家が関与するため、内容のミスがなく安心
❌ 費用がかかる(15万円から30万円)
自筆証書遺言(手軽)
✔ 自分で手軽に作成できる
✔ 費用がかからない
❌ 家庭裁判所での検認が必要で、手続きに時間がかかる
❌ 形式ミスがあると無効になる可能性がある
3. 遺言があっても「遺留分」がある
鈴木さん:「遺言で財産を自由に分配できるんですよね?」
専門家:「基本的にはそうですが、相続人には『遺留分』があります。」
遺留分とは?
✔ 法定相続人に保証された最低限の遺産取り分
✔ 配偶者・子どもには遺留分がある(直系尊属のみの場合も適用)
✔ 遺留分を無視した遺言は、遺留分侵害額請求の対象になる
鈴木さん:「つまり、遺言で全財産を妻に残しても、子どもが遺留分を請求できるんですね?」
専門家:「はい。再婚や事実婚では、遺留分を考慮した財産配分が重要です。」
4. 予備的遺言を忘れずに!
専門家:「遺言を作成する際、予備的遺言 も重要です。」
予備的遺言とは?
✔ 指定した相続人が先に亡くなった場合の相続先を決める遺言
✔ 再婚・事実婚の家庭では、特に重要
✔ 相続トラブルを防ぎ、次の相続をスムーズに進められる
鈴木さん:「再婚の場合、予備的遺言を書いておかないと、子どもと今の妻の間で揉める可能性があるんですね。」
専門家:「そうです。特に再婚家庭では、予備的遺言を忘れずに作成しましょう。」
5. まとめ:遺言書を準備して安心を
遺言書作成のポイント
✔ 財産の配分を明確にする
✔ 遺留分を考慮する
✔ 住まいの権利を確保する
✔ 予備的遺言を忘れずに!