2025.04.02
1. 再婚・事実婚での財産区分の明確化
財産の種類と特徴
個人財産(特定の人が所有する財産)
✔ 結婚前から所有していた財産(預貯金・不動産など)
✔ 相続や贈与によって取得した財産
✔ 自分の収入で購入したもの(車、株式など)
共有財産(夫婦・パートナーが共同で所有する財産)
✔ 婚姻期間中に形成された財産
✔ 共同で購入した不動産や車など
✔ 夫婦やパートナーが共同で管理している預金
2. 共有名義の問題点と対策
共有名義のメリットとデメリット
メリット
✔ 購入時の資金負担を分担できる
✔ 財産を公平に所有できる(夫婦・パートナーの関係を尊重)
デメリット
❌ 不動産を売却する際、共有者全員の同意が必要
❌ 一方が亡くなった場合、相続の手続きが複雑になる
❌ 関係が悪化した際、財産分与が難しくなる
共有名義のリスクを軽減する対策
✔ 持分割合を明確に決め、登記しておく
✔ 売却時や相続時の取り決めを事前に契約書に記載する
✔ 財産管理契約+遺言・家族信託を併用する
3. 共有不動産の登記はどうなる?
共有持ち分を決める際は、実際の出資割合に基づき、贈与税のリスクを避ける
事例1:夫婦で2分の1ずつ所有する場合
所有者:山田 太郎(持分 2分の1)
所有者:山田 花子(持分 2分の1)
この場合の特徴
✔ 夫婦それぞれが2分の1の権利を持つ
✔ 不動産を売却する際は、2人の合意が必要
✔ どちらかが亡くなると、持分相続の手続きが発生
事例2:夫が3分の2、妻が3分の1所有する場合
所有者:鈴木 一郎(持分 3分の2)
所有者:鈴木 由美(持分 3分の1)
この場合の特徴
✔ 購入資金の負担割合に応じて持分を決定できる
✔ 相続時に持分割合で遺産分割が行われる
事例3:事実婚カップルで不動産を共同購入した場合
所有者:佐藤 健(持分 4分の3)
所有者:田中 美咲(持分 4分の1)
事実婚の場合のリスクと対策
❌ 相続権がないため、パートナーが亡くなった際、持分を確保できない
❌ 配偶者控除が適用されず、相続税負担が大きくなる
対策
✔ 遺言書を作成し、相続財産の分配を指定
✔ 生前贈与や家族信託を活用し、相手の権利を保護
4. 共有持ち分の決め方と贈与税リスク
持ち分は実際の支出割合で決定すべき理由
✔ 購入資金の出資割合と異なる持分で登記すると、贈与とみなされる可能性がある
✔ たとえば、夫が全額負担したのに、妻と2分の1ずつの共有名義にすると、妻への贈与と見なされ、贈与税が課税される可能性がある
✔ 適切な持分で登記するためには、事前に専門家に相談が必要
税務リスクを避けるためにも、持分割合は事前に慎重に決定しましょう!
5 財産管理契約の作成ポイント
① 財産の管理方法
✔ 個人財産と共有財産を明確に区別
✔ 預貯金・不動産の管理方法を記載
② 費用負担の取り決め
✔ 住宅ローンや生活費の分担割合を明記
③ 共有財産の分配方法
✔ 別れた場合の財産の分け方を事前に決める
④ 緊急時の対応(医療・介護)
✔ 一方が認知症になった場合の管理者を指定
⑤ 相続や贈与の取り決め
✔ 遺言書や家族信託との併用を検討
6. 相続時の財産分けを法的に担保する方法
遺言書の活用(相続の指定)
遺言書は、財産を誰にどのように分けるかを指定できる法的な文書です。
✔ 法的に有効な方法で財産の分配を決める
✔ 相続人間の争いを防ぐ
✔ 再婚や事実婚パートナーへの財産承継を明確にする
家族信託の活用(財産の柔軟な管理)
家族信託は、財産を家族に託し、将来の管理や承継を計画的に行う方法です。
✔ 認知症対策として、財産の管理をスムーズに行える
✔ 遺言では実現できない二次相続(配偶者→子ども)を指定できる
✔ 共有財産の管理を柔軟に調整できる
遺言と家族信託を併用することで、より確実な財産管理・承継が可能になります!
7. まとめ:財産管理のポイント
- 再婚・事実婚では、個人財産と共有財産を明確に区分することが重要
- 共有名義にはリスクがあるため、事前に取り決めをしておく
- 共有持ち分を決める際は、実際の出資割合に基づき、贈与税のリスクを避ける
- 財産管理契約を作成し、トラブルを未然に防ぐ
- 相続の際は、遺言や家族信託を活用し、確実に財産を分配する